きっかけはこのツイートを見たこと。
【訂正】森山大道が”漆黒の桜”を展示する個展「Ango」が開催https://t.co/MwggvqOh1d #森山大道 pic.twitter.com/tSYKWPdazX
— Fashionsnap.com (@fashionsnap) 2018年3月19日
『「Ango」に桜と来たら坂口安吾?!』
思わずツイートの詳細を読んだ。
なぜなら、坂口安吾の小説「桜の森の満開の下」が好きだから。
ちなみに先のツイート詳細はリンクを読んでくださいな。
という訳で今日は、私が好きな小説。
特に今も心の支えになっているものを何作かご紹介。
1:坂口安吾 「桜の森の満開の下」青空文庫
先述したので、まずはこの話から。
ある峠の山賊と、妖しく美しい残酷な女との幻想的な怪奇物語。
女房である女の行動は異常でグロテスクなのですが、
相反するように、女が笑う描写がとても美しい。
それ故に美しさと残酷さが際立っているように思う。
だからか、意外な最後に
『こんなにも孤独で切なく美しい話があるなんて』
と私は読むと自然に涙が流れてしまいます。
また、wikipediaによると、
“後に書かれた『桜の花ざかり』には、
東京大空襲の死者たちを上野の山に集めて焼いたとき、
折りしも桜が満開で、人けのない森を風だけが吹き抜け、
「逃げだしたくなるような静寂がはりつめて」いたと記されており
それが本作執筆の2年前に目撃した「原風景」”だとか。
その話を踏まえると、
この話の空虚で孤独で、恐ろしいほどに美しい理由が解る気がします。
2:芥川龍之介 「藪の中」青空文庫
4人の目撃者と3人の当事者がとある事件について告白する話。
ネタバレしないように書くのがとても正直難しい(笑)
一つだけ言えるのは、
事実は一つだとしても、人間は自分の都合や思い込みによって
それを捻じ曲げることが無意識的にも、意識的にもできるのだと言うこと。
短編なので是非一度読んでいただきたいお話です。
ちなみに私は「藪の中」が小説の中で一番好き。
3:森見登美彦 「夜は短し歩けよ乙女」
やっと現代の作家さん!
このお話は昨年アニメ映画化されたのでご存知の方も多いはず。
黒髪の乙女と、その乙女に恋をした「先輩」のお話。
ただこの先輩は『ナカメ作戦(なるべく彼女の目に留まる作戦。略してナカメ)』を
筆頭に不毛な努力を全力で突っ走ってる所が、読んでいて愛おしくなります。
あくまで、私はですが(笑)
また京都が舞台なので、
できる方は脳内に地図を思い浮かべながら読むとより楽しめるのでお勧め。
実は上記2作品を読むきっかけも
森見さんの「新釈 走れメロス 他四篇」を読んだから。
元々古い文体や言い回しが好きなので、今も昔も一番好きな作家さんです。
「四畳半神話大系」も「恋文の技術」も「有頂天家族」も好き!
4:梶井基次郎 「檸檬」青空文庫
何だか突然得体のしれない不安や焦燥、
この先自分は生きていけるのか。
そんな感情を詩のように色鮮やかに書いたお話。
そして今気づいたけど、1つ目以外全て京都が舞台のお話だった…!
舞台になった丸善は一度閉店したので、三条麩屋町西入ルに今はないけれど
2015年京都BALの地下に再出店しています。
また、この作品に出会ったのはスキマスイッチの「view」MVを見たから。
その後「君の話」MVにも檸檬爆弾が出てきて、
『なんなんだろうー?』と思った矢先に梶井基次郎の「檸檬」を知り
全てが点と線で繋がりました。
と言うわけでそのMVも貼っておきます。
以上、私の好きな話についてでした。おしまい。